サポートする側が意識すべき点
どの点に注意すべきか
フレイルの状態にある高齢者は単一ではなく複数の身体、臓器、器官の機能が衰えているため、健康な時に比べてはるかに体調を崩しやすいです。体内外の環境変化に対応する機能が低下しているため、些細なことでも大きなストレスを抱える要因となり、状態悪化を招くおそれがあります。サポートする側は、どういった点を意識すべきなのでしょうか。
安全面の配慮
まずは安全面の配慮が求められます。フレイル予防には運動などの身体活動が効果的ですが、正しく行わなければ意味がありません。運動にはメリットもある一方で、デメリットも存在することを理解しておきましょう。高齢者の健康状態や体力の有無、疾病の有無などを把握した上で適切な運動をするのであれば大きな効果を期待できます。しかし、現状を把握しないまま運動の効果を優先し、不適切な内容で取り組んだ場合、ケガの悪化や関節障がいが発生する可能性があります。加えて、そういった経験をした高齢者は今後も運動に取り組んでくれなくなります。
次に、運動の進め方にも注意が必要です。フレイルが進行していても、健康状態をある程度維持している高齢者の場合、準備運動の時間を長くした上で強度の低い運動から徐々に慣らしていく必要があります。
生活面の配慮
生活面の配慮も忘れてはいけません。高齢者の身体機能を回復させるだけではなく、運動習慣を身に付けさせ心身の自信を回復させる取り組みも必要です。自信の有無はフレイル予防だけではなく、リハビリなどのあらゆる医療・介護的サポートを実施するにあたり重要な要素です。目標達成の体験と喜びを得ることで自信が付き、フレイル予防に対する意識が向上します。
また、相手の意思を尊重することも大切です。一方的に指示をせず、意見を尊重してください。フレイル予防に取り組むのはあくまで高齢者自身です。意見を述べる十分な時間を与え、むやみやたらに否定することは避けてください。
まとめ
サポートする側は以上の点を意識してフレイル予防の手助けを行いましょう。運動などの取り組みに加えて、社会参加の機会を与えることも大切です。また、栄養バランスの整った食事と規則正しい生活習慣も必須です。特に高齢者は食事を面倒に感じる傾向があり、低栄養状態に陥りやすい特徴があります。そもそも、運動をするためには十分な栄養を摂取していなければなりません。相手をよく観察し、積極的にコミュニケーションを図りながら状態を把握しましょう。今後は高齢者の数がますます増えていくため、それに伴いフレイル予防の需要も伸びていくでしょう。
介護職として携わる人へ
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サポートする側が意識すべき点
更新日高齢者をサポートする側が意識すべき点を紹介します。心身共に弱っている高齢者をサポートするためには、安全面・生活面に十分配慮しながらフレイル予防に取り組み、積極的にコミュニケーションを図りつつ状態を観察する必要があります。
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その他の方法
更新日栄養士によるサポートや運動療法による身体機能の維持の他にも、フレイル予防に効果のある方法を紹介します。持病を持つ高齢者は症状の状態を鑑みながら、自身に適した療法を用いてフレイル予防に取り組む必要があります。
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診断基準とリスク
更新日フレイルの診断基準は、「意図せず体重が年間で5キロ以上減少する」「何をするにも面倒だと感じる日が週に3~4日以上ある」「歩く速さが遅くなる」「握力が弱くなる」「運動をする機会が減り、身体活動量が低下している」の5項目です。