
社会的なつながり
社会的なつながりの重要性
フレイルを防ぐためには、運動を用いた身体活動が最も重要であると考えてしまいがちですが、社会的なつながりも重要であるという点を忘れてはいけません。ある調査によると、「積極的にウォーキングをして身体を動かしているが、友人の付き合いや町内会の活動などはまったくない」という人と、「意識して運動はしていないが、文化活動や地域活動などには積極的に参加している」という人を比べると、フレイルのリスクは前者のほうがはるかに高いことが判明しています。これは運動の効果を否定しているわけではありません。身体活動がある人のほうがフレイルに陥るリスクが低いことは明白です。ただし、継続的な運動が可能なのは若いうちから運動習慣が身についている人であり、高齢者になってから運動を開始した人は非常に少ないです。つまり、運動習慣がなくとも、趣味や地域活動を通して社会参加の機会を持つことで身体活動が発生し、結果的にフレイル予防につながっているということです。
健康のためには運動が大事なのは間違いありません。一方で、社会的なつながりを持って忙しく毎日を過ごすということも必要なのです。
孤食かどうかが重要
近年、独り暮らしの高齢者が増加傾向にあります。地域的な交流が希薄となった現代は「無縁社会」ともいわれており、独り暮らしの高齢者が周囲に助けを求めにくい社会環境が問題視されています。特に注意すべきなのは、独りで食事をする「孤食」です。
「同居者と一緒に食事をしている(A)」「独り暮らしだが誰かと食事をする機会がある(B)」「同居者はいるものの食事は独り(C)」「独り暮らしで食事も独り(D)」という4つのグループで分けた場合、Aと比較してDのほうがフレイルに陥る可能性が1.5倍以上高くなります。これは誰もが納得できる結果かと思いますが、一方で注目すべきなのが、「Cの高齢者はうつ傾向になる確率がAと比べて4倍も高い」という点です。独り暮らしであっても誰かと食事をする機会があれば、それが生きがいや楽しみとなり食欲も増します。低栄養状態になることを防ぎ、フレイルになるリスクも軽減されます。誰かと共に食事をする時間はフレイル予防の観点から非常に大きな効果を持つのです。
つまり、「独り暮らしかどうか」だけで判断するのではなく、「一緒に食事をする人がいるかどうか」という目線を持たなければなりません。社会的なつながりがあれば、孤食が続くことを回避できます。このことからも、積極的に社会的なつながりを持つ重要性が理解できます。
介護職として携わる人へ
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サポートする側が意識すべき点
更新日
高齢者をサポートする側が意識すべき点を紹介します。心身共に弱っている高齢者をサポートするためには、安全面・生活面に十分配慮しながらフレイル予防に取り組み、積極的にコミュニケーションを図りつつ状態を観察する必要があります。
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その他の方法
更新日
栄養士によるサポートや運動療法による身体機能の維持の他にも、フレイル予防に効果のある方法を紹介します。持病を持つ高齢者は症状の状態を鑑みながら、自身に適した療法を用いてフレイル予防に取り組む必要があります。
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診断基準とリスク
更新日
フレイルの診断基準は、「意図せず体重が年間で5キロ以上減少する」「何をするにも面倒だと感じる日が週に3~4日以上ある」「歩く速さが遅くなる」「握力が弱くなる」「運動をする機会が減り、身体活動量が低下している」の5項目です。